韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金正淑(キム・ジョンスク)夫人が18日午前10時前、専用機で平壌国際空港に到着した。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と李雪主(リ・ソルジュ)夫人が出迎えた。両首脳は握手し合い、抱き合ってあいさつした。韓国大統領が平壌を訪れるの11年ぶり。

両首脳は3日間の日程で、進展の遅れている北朝鮮の非核化などについて協議する見通し。朝鮮半島の「非核化実現のため実務的な方法」を話し合うとされているが、具体的な内容は明らかになっていない。

韓国の主な目的は2つある――。

・南北朝鮮の協力と和解の推進
・非核化交渉で米朝の仲介役を果たす

文大統領と金委員長が4月に初めて会談した時点では、両首脳が対面しているというだけで大きな前進だった。今回の文大統領は、非核化に向けた具体的な対応の言質を北朝鮮から得るため、北朝鮮を説得し、中身のある成果を確保する必要があると、BBCのローラ・ビッカー・ソウル特派員は指摘している。

さもなければ、今年になって繰り返された南北首脳会談や、歴史的とうたわれた米朝首脳会談はいずれも、華やかな写真撮影の機会に過ぎなかったと位置づけられる恐れがあり、ドナルド・トランプ米大統領の忍耐力が試されるかもしれないと、ビッカー記者は言う。

4月の南北首脳会談では、「核のない朝鮮半島」や平和体制の実現で合意したが、具体策は米朝首脳会談にゆだねられた。今月14日には、北朝鮮・開城工業団地内に南北連絡事務所を開所し、両国が常時、連絡を取り合えるようにした。

今回の首脳会談を機に、両国は協力関係の拡大を目指す見通し。文大統領にはサムスン・グループやLG、ヒュンダイなど韓国財界のトップが多数随行しており、経済関係の発展を協議する。軍事境界線の警備体制緩和も主要テーマになるとみられる。